元気ですか?

先日スーパーの魚売り場で、丸のままのサバを買い求め、その場で二枚おろしにしてもらった。対面販売というやつだが、わたしは小心者なのでこのシステムを滅多に使わず、普段は切り身の魚ばかり買っている。でもその日は手ごろな切り身がなく、でもそろそろ魚も食べたくて、対面販売の担当者が女性であったことが決め手となって「このサバ一尾ください」と頼むことができた。しかし如何せん慣れていないので、サバを手にした彼女に「どういたしましょう?」と聞かれて適切な答えがわからず、「味噌煮にします」と断言してその場を乗り切った。

 

「ママ、サバを何してもらった」

その日から、うちの2歳が毎日これを言う。語尾が上がらないので気づきにくいが、本人としてはこれは「何してもらった?」という疑問文で、わたしがこう答えるのを待っている。

 

「ママ、サバをさばいてもらった」

 

それを聞いて、子は満足そうに笑い「おもしろいねぇ」と言う。

すごくない!?

わたしは、はっきり衝撃を受けている。

 

きちんと覚えていないけど、二枚おろしを頼んだその場でわたしは子に「何してる」と聞かれて「サバをさばいてもらってる」的なことを答えたのだろう。ダジャレになってるな〜とは思いつつ、そのことは特段口に出さなかった。ダジャレの仕組みとその面白さを説明するのは難しいからなのに、子はウケている。サバをさばいてもらうことに、もう一週間ぐらいウケている。ほんとに、2歳か?

 

果たしてこれは、ダジャレになってることを面白がっているのか、それとも「お店の人に頼んだらお魚を切ってもらえた」ことが面白いのか。後者なら、子どもらしいというか、まだ世界の全てが発見の連続なのだなぁ、と、月並みながら微笑ましい。でも前者だと「もうそこ!?」という驚きが勝つ。なんというか、理解(わか)りすぎてない?

そして追い討ちの「おもしろいねぇ」はなんなんだ。なんでそんなに、端的かつ明確な意見が述べられるんだ。

 

ほんとに2歳か?って思うけど、ほんとに2歳である。だから結局、わたしが思うよりずっと2歳児は賢いってことなんだろう。うちの子が、ではなくて、子どもが賢い。わたしが想像してたよりずっと。そういえば2歳前にウインナーを気に入りすぎて際限なく欲しがるので、「そんなに食べるとウインナーになっちゃうよ」と軽い気持ちで言ったら「やだ」とシクシク泣き出したことがあった。この頃の子は、まだ「ママ」と「いや/やだ」しか言えなかったのに、それを使いこなしていて「え、賢いな!」と思ったのだったし「たまになら大丈夫」とフォローしたんだった。あーかわいい(親バカ)。

 

そんな風に感心しながら、おととい、今シーズン初の鍋。夫のリクエストで鱈の味噌鍋になった。これはサバ味噌を気に入っていた2歳も気にいるだろうと思っていたらこれがまっっったくウケない。鱈も野菜も〆のうどんもほとんど食べずに食パンやキャンディチーズを食べていて、これぞ育児あるある「気にいると思ったものほど食べない」。だからわたしが、食後に満を持して言うつもりだった「鱈をたらふく食べたねぇ!!(キャハハ‼︎)」は、あえなくお蔵入りとなったのだった。