六花亭お得情報〜♪♪

友達のSぴょんが北海道旅行を計画中だという。超いいね!!なのだが、未就学児2人を連れて大人は自分1人、つまりワンオペで飛行機、からの23日と聞いて思わず「試されに行くなぁ」と全然レジャー向けでない返事をしてしまった。これを書いている今も、その道中を想像すると、ロードオブザリングのような過酷な旅を思い浮かべてしまう。札幌の大通公園で、頼りの師(スマホ)が地底に飲み込まれることはないだろうけど。

子どもが2人いても、幼稚園に入る歳になれば、よっしゃパパ置いて旅行でも行くか!という気持ちが沸いてくるのか。試しに「ワンオペで子と旅行、行ってみる?」と自問したけれど、返事はない。ただのしかばねのようだ。

 

さて、

自ら試される大地へと赴く彼女への餞別として、六花亭のおすすめお菓子をご紹介したい。そんなのお得情報とは言わない、という声が聞こえてきそうだが、一番下までスクロールすると、そのお菓子がお得に買えるリンクが!?出て来ません。六花亭に魂を売ったら、そういう芸当もできるのかもしれない。

余談だけど、魂の売り先として六花亭を選ぶ人間、かなり純朴で好感が持てる。着圧タイツメーカーに魂を売った人間が落ちる地獄が「獄卒の前で全身着圧タイツの一発芸」だとしたら、六花亭に魂を売った人間が落ちる地獄は「マルセイバターサンドの間にギュウギュウ挟まれる」とかだろうし、それならまあ耐えられる気がする。意外と普通に地獄だけど。

結論から言うとわたしは「六花亭、マルセイバターサンドだけじゃない」と声を大にして言いたい(太字の位置、ミスってるわ)。

そのことに気づいたきっかけは、昨年のふるさと納税だ。我が家も御多分に洩れず、ド年末に泡を食って注文し、2月の頭に突然高級食材が冷凍庫を埋め尽くすーということを毎年やっている。でも去年、いつもウニとイクラじゃ芸がないな、そういえば友達がロイズの美味すぎるポテチ頼んでたことあったな、甘いものアリだな〜という思考ルートを辿ってマルセイバターサンドの存在を思い出した。探してみるとあるある、六花亭。本拠地は帯広市なのね。ここはひとつ帯広市の子どもを応援しようじゃないの、と思ってポチったのが1万数千円分の缶入りのお菓子詰め合わせ。帯広市の子供たち、立派な公園を作ってもらって、明るい未来を歩んでくれよな。

ところで昔、この菓子の存在を知った頃はてっきり「マルセイ」が会社の名前だと思っていた。後から六花亭の存在を知って「じゃあマルセイは?マルセイは何だったの?」とやや衝撃を受けた。公式サイトによると、十勝で最初に作られたバター「マルセイバタ」に由来しているそう。なおwikiによると「パッケージに記載されている「バ成タ」という文字から「バナリタ」の愛称で親しまれている。」らしい。通、すぎない?

さて年明け早々に届いた六花亭のカンカンは大変充実していて、まずバナリタが8枚も入っている。これを夫婦2人で食べていいってだけでもう貴族よ。他に、フリーズドライのいちごのホワイトチョコがけも入っている。似たお菓子で、無印良品の「不揃いホワイトチョコがけいちご」があるけど、わたしはあれが毎回「不味いホワイトチョコがけいちご」に見えてしまい、その度に「不味い!?いや、不揃いか」と律儀に思う。他のお菓子は知らないのばっかりだ。「マルセイキャラメル」「マルセイビスケット」「百歳」「霜だたみ」そしてー「雪やこんこ」。

 

この。

「雪やこんこ」が。

「雪やこんこ」が。

美味すぎる。

 

美味すぎるのに、知られてなさすぎる。

 

説明しよう!雪やこんことは、

手の平に冬の雪空。

急に詩人、とビビらせたが、公式サイトからの引用である。

手のひらサイズの正方形で、よくあるラングドシャ的なお菓子よりもちょっと厚くてその分重い。このビスケット部分が秀逸で、ザクザクともサクサクともしっとりともホロホロとも違う。ちゃんとビスケットなのに、滑らかさがあるというか、スムースというか。それと中のクリームが混ざり合って溶け合って…うーん上質。味はもちろん、とにかく食感が素晴らしい。唯一無二。甘すぎないのも、アラサーにはポイントが高い。

例えるなら、

出家したオレオだろうか。

 

そのことはちゃんと公式サイトにも書かれていて(オレオには触れていない)、曰く

「大小さまざまの穴から顔をのぞかせる白いクリームで夜空に舞う雪を表しました。ブラックココアビスケットは薄さを、ホワイトチョコクリームは厚みと柔らかさにこだわりました。特徴的な歯ざわりです。」

とのこと。わたしの食レポ、時間の無駄すぎ。

とにかくこれを食べた時、わたしは感動のあまり「美味しすぎる」「革命」「ミシュラン五つ星」「なんでこんなに知名度が低いんだ」と大騒ぎした。夫にも食べさせ「バターサンドと同等の評価を受けるべき」と言ったら「それは言い過ぎ」とキッパリ言われた。わたしがハードルを上げすぎてしまったみたいだ。ミシュラン、最高でも三つ星だし。でも、わたしは本当に五つ星ぐらい感動して、今でもバターサンドに匹敵する美味しさだと確信している。と書きながら、なんとなく夫に「わたしと子で旅行行くって言ったらどう?」と聞いたら「行きたいの?」と寂しそうに言われた。ごめん、一緒に行こうね。

 

そんなわけで、北海道にお越しの際は「雪やこんこ」を、見かけたら、ぜひ。「雪やこんこ」をどうぞ、どうぞよろしくお願いします。比例の投票用紙にはどうぞ「雪やこんこ」「雪やこんこ」とお書きください。

 

ところでSぴょんと会って話したのは先週末、お互い子を夫に預けて大人の休日と洒落込んだのだ。駅ビルの13階で昼間から日本酒を飲みつつ、わたしはサーモン親子丼、彼女はカキフライ定食を食べた。その後エスカレーターで階下に向かいながら、当てもなく服屋や雑貨屋をぶらつき、行きついたケーキ屋に小一時間並び、繊細で美しくしっかり高いケーキを食べ、またぶらぶらした。わたしはピアスを買い、Sぴょんは髪飾りを買った。他愛無い、しかしどこを取っても子連れには得難い時間。一歳児との外食でサーモン親子丼を頼むことは無いし、ケーキ屋に並ぶ一時間に至っては、その有閑さにときめきすら感じた。実におめでたい(ガリレオ風に)。