マックへGOGO!後編

ちゃんと翌日書くつもりではいるのに、気づくと1週間経っている。マックの味も忘れかけてる。



斯くして赤子と共に赴いた最初のパン屋ではまだバケットが焼けておらず、(前日焼いたのでよければあります、お値段変わらないですけど。と言われ、丁重にお断りした。)2軒目で無事バケットをゲット(これが所謂、韻?)。



さて往路はバスを使ったが、当地は田舎、そうそう都合よくバスは来ない。そんなことは想定内なので、さして抵抗も落胆もなく家まで40分の道のりを歩き始める。今日は天気もいいし、お散歩日和。赤子もやっぱり、ショッピングモールなどの屋内を歩くときより、外を歩くときの方が嬉しそうにする。ま、今は寝てるんですけど。




そして25分後、マックへ入店することを決意(やっと)。



そもそもこうなったのは、めちゃくちゃ喉が渇いたから。気温は低い。風も冷たい。だけど日差しの暖かさとお腹の赤子の体温、そしてウォーキングの効果で暑くなってきた。なんでわたしはマフラーなんてしてるんだバカかとなっていたところ、遠くに黄色のMが見えて、ハッとする。お腹も空いたし、赤子は寝てるし、マック寄ればいいじゃん!



我ながら名案。久しぶりのジャンキーな食事を想像して心が弾む。昨日もお昼お粥だったからね。そうして入店したマックの、期間限定のメニューにはグリルチキンバーガーソルト&レモンという、なんとも好みのバーガーがいて、迷わずそれを注文。店員さんに、お席までお持ちします、とにこやかに言われて番号札を受け取った時ー



近くに座っていた幼児が大きな声を出しー




抱っこ紐の赤子が、目を開ける。




総員、耳を塞げーーーー!!!!!!




と身構えたが、赤子は泣かず、なぜかニコニコ笑っている。起き抜け直後でその笑顔、見習いたい。


さて問題はわたしの昼食、テイクアウトに切り替えてもらおうと思ったけど、これは、このままいけるのでは?


お座りは最近かなり安定してきたけど、外でベビーチェアに座ったことはない。けどいつかは座らせて外食もしたい。それが今日でもいいのでは


番号札を持ったままカウンターで逡巡した後、プチ決意をしてそのまま席を探す。店の奥の比較的空いているテーブルを目指し、そして途中にあったベビーチェアを拝借する。初めて持ったけど、意外と重い。


テーブルについてコートを脱ぎ、バケットの飛び出しているバックを置き、いざ赤子を抱っこ紐から出し、デビューだぞ、とエールの目線を送りながら彼女をベビーチェアに下ろす。



うぇ、という声と併せて歪む口元、細くなる目。



20222月のマックにて。

初ベビーチェア、滞在時間、3秒。




少し様子を見る、という選択肢はあるが、それはこちらに余裕があるとき。飢えて渇いて、あとシンプルに疲れて座りたい今は、赤子にも落ち着いていてほしい。ほらお膝の上だよー大丈夫だねー、と、やっているとわたしの食事が運ばれてくる。お待ちしておりました、グリルチキンバーガーソルト&レモン。



結論、大変美味しかった。

しかし、想像を超える油ギッシュさに驚いた。その驚きをブログを書こうと思うほどに驚いた。



とにかく油がすごい。ものすごい。

包み紙を剥いだ時点で指先は想像の20倍ぐらい濡れる。手が汚れる、とか油が着く、とかではなく、濡れる。濡れてテラテラになる。神社の手水舎でお清めをした時ぐらい濡れる。清まってないけど。真逆だけど。ポテトの比じゃない。ポテトの油を、濡れると形容することはない。赤子を含む全てのものに触れなくなる。食べ始めると口の周りも同様のテラテラ加減。天ぷらでパン食い競争してもこうはならない。数枚ついてくるペーパーナプキンを頼ったけど、手を拭くというより、ペーパーナプキンを汚す、という結果に終わった。


とまあ、わたしはこの油ギッシュさに大変驚愕したのです。ただ、ネガキャンのようだけど、こちらの商品、ここまでめちゃくちゃ美味しい。頭の中は「うま」と「油すご」で、ちょうど50:50



赤子はわたしの膝の上で、ガムシロップで遊んだり、トレーに手を伸ばしたりする。危険がないよう目を光らせつつ、この子にいかなる食べかすもこぼしてはならねぇ、と思うから、わたしは横を向いてチキンバーガーを頬張る。窓の外はドライブスルーの車が通る。こっちが見えていませんように、と願う。膝に赤子を座らせた人間が手も口もテラッテラでバーガーにむしゃぶりついているのは、ちょっと鬼気迫る感じだし、シンプルに恥ずかしい。見た方もきっとトラウマになる。



そんなことを考えながら食べ終える。赤子のいる生活では、食べられるうちに食べておけ、というのが身体に染み込んでいて、急ぐ必要がない時も妙に早食いになってしまっていけない。そして誇張でなく手が油まみれになったので、何にも触れない。赤子に触れるなんぞもっての外。そこでバックの中に赤子のお尻拭きが入っていることを思い出す。バックのファスナーを開けっぱなしにしていた十数分前のズボラな自分に感謝しつつ、できるだけ他のものに触れないようにしながらおむつポーチを出し、そこからお尻拭きを出し、お尻拭きの蓋を開け、やっとこさ手を拭くことができた。その間、赤子はここまで出てきた全てのアイテムに触りたがり、舐めたがり、噛みつきたがったので、わたしは体を捩ってそれを阻止した。これが赤子のいる外食か1番感じたのはここかもしれない。



こうして改めて読んでみると、そんなに大変な思いもしてないな。でもとにかく、グリルチキンバーガーソルト&レモンは大変美味で、でも油がすごく、赤子を膝に乗せている時には向かない食べ物かもしれない。でもまた今度、子を下ろした状態で是非食べたいと思っている。その時は何らか手を拭くものを、あらかじめテーブルに用意しておきたい。